2012年10月30日火曜日

未来を創る人を育てる

正しい国際協力や幸せのありかなんて、誰にもわからない。
価値観は人によっても違うし、何が幸せなんてその人自身も正確には理解していないし、理解できるものでもないと思う。

でもその中で、僕たちは何ができるのか?
国際協力のあり方はよく’魚釣り’に例えられる。

以前のやり方は
「魚を与える」
方法。
ODAという形で道路を作り、港を作り、橋を作り・・・
でも、途上国の貧困や生活の質は変わらなかった。

次に、「魚の釣り方」を教えるようにした。
参加型開発とかファシリテーターとか・・・現地の人々が主体になって魚を釣れるように促してきた。
でも、まだまだ十分な効果がでているとは思えない。
しかも、そうやって先進国的なあり方を目指したやり方がそもそも本当に正しいのかわからなくなってきている。

そして、次は?
色んな方と知り合って、色んな本を読んで、色んな考え方があると知った。
「魚を与えるよりも魚の釣り方を教えるよりも、釣竿の作り方を教えよう」
「魚の釣り方を教えたら、漁のやり方を教えよう。そしたら村のみんなに仕事と収入を与えられる」
「魚の釣り方を教えるよりも、そこに生きる人々がそこでどう生きたいかを一緒に考えよう」
・・・

面白いブログ記事を見つけた。
「作り手を増やすhttp://shanindonesia.blog94.fc2.com/blog-entry-139.html
簡単に紹介すると、技術や製品が本当に現地を幸せにしているのか?
TVのない生活よりTVのある生活がいい。
そんな価値観がどんどん広がって、途上国の人々の間でもTVのある生活に憧れている。
でもTVのある生活のおかげで(せいで)人々の結び付きが失われてしまっている。

そんな風に先進国的な生活、幸せの方向(あくまで’方向’)が全員が望んでいることなのだろうか?
そんな疑問を持った著者が出した答えは「自分で考え、解を出せる『作り手』を増やすこと」。

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心にささった刺をいままでずっと無視し続けてきた自分を恨みつつ、うんうんと考えてみてはや3ヶ月。
かろうじて見つけた、私にとってのずっと信じられること。それは「自分で考え、解を出せる『作り手』を増やすこと」。

途上国にモノを届けることの善し悪しはよくわからない。たぶん良いものも、特に幸福度合いには影響のないものも、悪いものもあるんだと思う、というくらいしかわからない。
でも、目の前の問題を見た時に、「こうしたらちょっと良くなるかも。」「こんなの作ったら楽になるかも。」と思って、前に進む事ができる人を増やす。途上国で増やす。先進国で増やす。東ティモールピティレティ村で増やす。アメリカ西海岸で増やす。東京で増やす。東北で増やす。世界中で増やす。。。。
うん、これならいくらやっても害がなさそうだと信じられる。
しばらくの人生をかけてもいいかな、と信じられる。
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自分の中で色んな糸が解けた気がした。
幸せの在り方や大事にしたいもの、価値観はみんなそれぞれだ。
それならば、自分が望む未来/幸せのあり方を自分で考え、創ることができるようにするのがいいじゃないかと思う。

「魚の釣り方を教えるよりも、自分たちが望む未来/幸せを自分たちで創ることができるようにする」

そして、「自分たちの望む未来/幸せを自分たちで創ることができるようにする」には、
①彼らが抱えている障害をなくし
②過去や今ではなく、未来/幸せを彼ら自身が描ける
ようにすることが大切だと思う。

①の実現のためには、資本の投資や適正技術の普及なんかが役立つと思う。
でも②には、何が必要?
未来/幸せを自分たちで描けるようになるには、
まず教育
次にそれを実現できる環境
かな?
要は、物理的にも精神的にもエンパワーを成し遂げるのが大事なのかな。

「魚の釣り方を教えるよりも、自分たちが望む未来/幸せを自分たちで創ることができるようにする」

そして、そのための手助けとして日々の障害を取り除き、未来/幸せを自分で描けるように促すようにできたらいいな、と思う。



一年以上前から取り組んでいるSee-Dコンテストへの参加。
あと1ヶ月で本番です。