2017年6月11日日曜日

ソーシャル・ビジネス=”B2S(Society)”のビジネスモデル

こんばんは
Shunichiroです。

ご無沙汰の投稿となってしまいましたが、元気でやっています。

先日とても面白いイベントに参加してまいりました。
REDD+さんの主催で行われる
「森から世界を変えるソーシャルビジネス・アワード」
http://www.reddplus-platform.jp/

こちらの関西キックオフセミナーで「開発途上国の課題を解決するビジネスの視点を学ぶ」というもので、ざっくりと
1.ソーシャルビジネスの作り方
2.途上国で起きている森林の課題
3.パネルディスカッション
という流れでした。

この中の「1.ソーシャルビジネスの作り方」がめちゃくちゃ面白かったし、今まで自分が学んできたことややってきたことなどが一気につながった感覚がして、一人でハイになってしまっていました。

簡単にではありますが、備忘録もかねて紹介したいと思います。
1.ソーシャルビジネスは”B2S”
2.B2Sのビジネスモデル
3.B2Sでリーン・BusinessDevelopment
4.B2Sのプロデュース


◆ 1.ソーシャルビジネスは”B2S” ◆
ビジネスでよく使う言葉として、B2CとかB2Bとかありますよね。対消費者とか対企業といった誰をターゲットにするのかというところを端的に表す言葉ですね。ビジネスをすごく単純化すると、『CとかBとかのターゲットにしている人(法人)が抱えている課題・困っていることに対して、ソリューションを提供することでその人(法人)から対価としてお金を得ること』って形になると思います。

ソーシャルビジネスの場合でも難しく考える必要はなく、B2CやB2Bと同じで「社会(Society)が抱える課題に対してソリューションを提供することで、その社会から対価を得る」と、定義できるものであると考えられます。

つまり、ソーシャルビジネスはB2Sのビジネスであるということができます。


◆ 2.B2Sのビジネスモデル ◆
続いて、ビジネスモデルについて考えていきます。
B2C、B2Bだったら、課題を抱えて困っている人とソリューションに対して対価を支払う人が同一、つまり特定された1対1の関係があったわけです。

一方、B2Sの場合、課題を抱える対象も対価を払う人も”社会”という曖昧な存在、かつ色んな人(そして事業体など)の集合体に置き換えられてしまっています。それゆえ”社会”の課題といっても、Aさんは公衆衛生を課題と感じてるけど、Bさんは貧困を課題と感じていて、さらにCさんは、、、という形で、課題に困っている人も課題もバラバラ、という状況になってしまいます。

ではここでどうするかというと、
①まずはある社会の中に、実際に現地に足を運んでヒアリングしたり一緒に日々の仕事をしてみたり一緒に生活してみたりして、できる限り具体的に「誰が何に困っているのか?」を特定していきます
②①でつかんだ具体的な「誰が何に困っているのか?」に対して、ソリューションを提供できるアクターがいないかを探す
③①の課題に対してソリューションを提供できる②をうまく組み合わせたビジネス・プロジェクトをデザインしていく

という形になります。
つまりB2Sの場合は、B2CやB2Bのような課題を抱える人とソリューションを提供する人が1対1の関係という形ではなく、複数の課題を抱える人とそれらに対してソリューションを提供できる人たちの多対多の関係によるビジネスモデルということになります。

さらに、多対多の中には色々な形があり、わかりやすくお金という対価を通じた関係性もあれば、お金ではない価値(思い出、つながり、充足感、ブランドの認知、、、)を通じた関係性もあり、また個人対企業もあれば企業対企業、企業対自治体といった様々な関係性もあります。

この多対多の関係性の全体の構想だけでなく提供するものや対価の在り方自体もデザインしていくことが、B2Sのビジネスにおけるビジネスモデルを作る際の考え方になるそうです。


◆ 3.B2Sでリーン・BusinessDevelopment ◆
次は時間軸の視点で、B2Sのビジネスを見てみましょう。
先ほども触れたように、B2Sの場合は、一個のビジネス、一個のプロジェクトの中で、たくさんの関係者が存在する形になります。課題を抱えた市民の方々、それにソリューションを提供できる企業、NPOの方々、その社会の自治体の方々、、、さらに関係者の方々が最初から特定できているわけではなく、ビジネスやプロジェクトを行っている中で、「自分たちもやりたい」「自分たちも混ぜてほしい」といった形でどんどん後追いで関係者が増えていくこともあるそうです。

B2Sのビジネスモデルは、多対多の関係性(と対価の形)のデザインということを先ほど述べました。B2Sでは、まさにその時その時で動的に集まってくるリソースの関係性を動的にデザインしながら、徐々に作り上げていくという流れになります。

この徐々に作り上げていくスタイルは、スタートアップの世界でよく言われる”リーン”の考え方とまさに一緒で、動的に変化する状況にあわせて最適なあり方をリ・デザインし続けて一つの形にしていくということになります。


◆ 4.B2Sのプロデュース ◆
最後に出来上がったものを世に送り出す段階です。
繰り返しになりますが、B2Sの場合のターゲットは”社会”です。”社会”に対して、それを受け入れてもらうためには、伝え方がすごく大事になります。どんなメッセージを伝えるのか?どんなことをやっているのか?どうしたらそこに来てくれるのか?買ってくれるのか?楽しんでくれるのか?関わってくれるのか?。。。

といった部分の構想や伝え方、メッセージの内容やメッセージ媒体、さらには会場の設計やアレンジメントといった、クリエイティブ的な発想をもって全体像を描き、社会に出していくことになります。

B2Sの多対多の関係性の中には色んな人の思いや考えが入っていますが、それをどう引き出し、納得ある形でまとめ、コンセプトメイキングし、ビジネス・プロジェクトとして形として、どう世に出していくのか?そういったすべてがB2Sのプロデュースという形になります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


という形でちょっと長くなってしまいましたが、自分なりにB2Sについてまとめてみました。文章下手の中うまく伝えようとしたつもりですが、要は何を言いたかったって?
「B2S、めっちゃおもしれえ!ビジネスの新しい形や!ビジネスの概念の進化形や!」
ってことです。

かなり個人的な趣味・趣向などもあって、ソーシャル的な視点×デザイン論×スタートアップ的なビジネス論×ビジネスの理論的視点×スピルバーグ(巻き込み)というところのトピックがすべて入っていて、本当に面白い世界になってきたなと感じています。


先ほどのREDD+さんでは、ソーシャルビジネスのグランプリもやるみたいなので、せっかくなので私も応募してみたいと思っています。
http://www.reddplus-platform.jp/

自分も今の会社で力をつけて、↑の方程式にさらに「テクノロジー」という掛け算を加えられるように頑張っていきたいと思います。


Shunichiro