2014年11月1日土曜日

バングラ渡航①【2014-No.48】

こんにちは。
Shunichiroです。

またまた久しぶりの投稿になってしまいました。
最近少しまなけてしまっていて、自分自身どうも良くないな~という次第です。実はいくつかの活動について退く?辞める?ことを決めまして、またそれに関わる種種の問題も発生していたので、仕方ないと言ってしまえばそれまでですが、仕方ないのかなと思います。



とは言っても、いつまでもこんな状態でいるわけにはいきませんので、非常に電撃的なノリではありますが、表題のとおり只今バングラデシュに来ています(笑)

やっぱりこの雰囲気好きですね~。
自分にはこのフィールドで何かしたいんだな、と思う気持ちや、その他もろもろ甦って来ていて「自分」というものを取り戻しつつあるような感じです。

なんというかですね。
今まで抑圧?閉ざされていたものが徐々に開いていくような、解放されていくような感じで、氷がゆっくりと溶けていって、中から本物の自分が戻ってきたようなそんな感覚です。


さて、今回の渡航ですが、一昨日10月30日日本出国バングラ着→11月4日バングラ発、翌5日朝日本着という6日間(現地滞在5日)の非常に短い旅となっています。しかも、電撃ノリなので完全にノープランw

そういうわけで、今回の渡航に当たっては、計画にしろ自身のコンディションにしろ非常に不安が残る中ではあったのですが、やっぱり渡航してみると色んなものが目に入り、あるいは肌で感じ、あるいは耳で聞き、、、と非常に様々な刺激や出会いがあります。

やっぱり自分はこういうの好きなんかな、と改めて認識しています。
(渡航に対す少々の気持ちを綴ったFB投稿に対して、非常に多くの方から反響を受けていて驚く限りです。https://www.facebook.com/shunichiro.nakamura/posts/860039094015770?notif_t=like)




長くなってしまうかもしれませんが、エピソードや思ったこと・考えたこと・感じたことなどを自身の備忘録的にも色々綴っていきたいと思います。


【バングラ渡航1日目(10/30日移動日)】
●行きの飛行機での日本人との出会い
今回関空発→マレーシアでの乗り継ぎ→ダッカという航路でしたが、なんとマレーシアでの乗り換えの際に同じくダッカ便での日本人(女子大生)と遭遇しました。話しをしてみると、なんと卒論のテーマがBoPビジネス!父親がバングラで仕事をしているので、それを頼りに色々ヒアリング調査に来たとのこと。

出会いって不思議なものですね。
彼女の視点としては、BoPビジネスに対する批判的な意見をあまり見かけないけど、実際のところどうなんだろう?色んな言説に謳われているようにちゃんと貧困層に対する社会的受益効果は出ているのだろうか?というところがありまして、今回の調査では受益性に関するアンケートを行う予定だそうです。


なるほど、確かにBoPビジネスに対する言説はポジティブなものが多く、批判的な視点のものは少ないですよね。私自身ある教授のBoPリサーチアシスタントを行う際には、そういったところも念頭に置きながらリサーチをさせてもらっていました。

このエピソードに関しては2点ほど思うところがありまして、

  1. 現在のBoPビジネスってどんな立ち位置なんだろう?
  2. 批判がもっと表に出てこそ、もっと概念が進化できるのに、、、

というところですね。


①現在のBoPビジネスってどんな立ち位置なんだろう?
私がBoPを知り始めたのが2011年で仲間とともにマーケットリサーチしたりアイディア出ししたりしていました。(懐かしい!笑)そして、その次の年2012年が日本でも企業を中心にBoPがブームに成りまして、BoP元年と呼ばれています。

非常な円高(当時)の中、日本企業が海外に進出する動機、きっかけとして政府、行政を挙げて日本企業をBoP市場に送り出そうと躍起になってやっていました。


さて、それから2年がたったのですが、今のBoPビジネスの立ち位置ってどんな感じなんでしょうか?

実感値としては、BoP対応なんて当たり前という形で浸透していて、BoPという言葉に対するホットさは失われたように感じています。その背景にはアベノミクスによる円安進行及び株価増進があるのかなと。

まあ、今でもたまにBoP系のセミナーやソーシャルビジネス系のセミナーは見かけるんですけど、何回か参加して非常に怖いなって思うことがあります。

2012年のBoPブームにより、BoPに対する市場の関心が高まり、当たり前のように概念が浸透しました。でも、その中でBoPビジネスが大事にしているもう一つの側面=「社会的利益の実現」という部分に対するものが非常に薄れてしまっているように感じます。

やや極端ないい方ですが、「途上国でビジネスを始めればそれが雇用につながり、社会的に便益をもたらすよ!」位のノリでいる人がかなり多いように感じて、途上国でビジネスをする=BoPビジネス=社会的にGoodみたいな超単純な構造なんですね。

でも、それで本当にイイの??というところを非常に強く感じてしまいます。
ただ単に雇用を生むだけで、それが本当の社会的便益をもたらすわけではありませんし、雇用によって本当に貧困層の社会的利益を与えるにはもっと様々な工夫がいるはずです。

色んな書籍で紹介されている成功事例においても、ただ単にビジネスを始めた、以上の洞察や苦労の部分がたくさんあるはずで、その結果社会的便益も成し遂げられていたというものだと思いますが、それらをすべてすっとばして、BoP=社会的にGoodという風潮には非常に疑問を感じています。


というところの、モヤモヤ(あるいは憤り!)が次につながるのですが、



②批判がもっと表に出てこそ、もっと概念が進化できるのに、、、
日本人特有の現象かどうかは分かりませんが、どうも新しい理論や考え方には無節操に飛びついてしまい、その内容や本質についてしっかり吟味されていない気がします。その結果、非常に短絡な理解で、浅い思考に基づく、中途半端な取り組みがなされているような気もしますし、そういった所を理解している人が本当に少ないため(非常に残念なことではありますが。)、そんな浅いものでも賞賛されてしまい、より多くの浅はかなものを推進してしまっているのではないかと、、、

そういったことろにおいて、批判的視点ってものすごい大事ですよね。
以前も非常に流行りました「マイクロファイナンス」について、ユヌスさんのノーベル賞受賞とともににわかにソーシャルビジネス・マイクロファイナンスに対する賞賛者が一気に増え、まるで流行りのファッション化のようにみんながソーシャルビジネスだとかマイクロファイナンスだとかをくちにしていました。(そうまるでファッションみたいに。)

ちょうどそういった風潮が少し落ち着いてきたころ、ヒュー・シンクレアによる「世界は貧困を食い物にしている2013)」が発売され、非常に痛烈にマイクロファイナンスを批判しており、それによって既存の人たちも新規の人たちもちゃんとマイクロファイナンスの本質について考えるような動きに変わってきているように思います。

この書籍の影響は非常に大きくて、単なるはやりものの後追いではなく、それに携わる一人一人が本質についてちゃんと自分の頭で考えるきっかけになったと思っています。物事が前に進む時って、批判的な目線って絶対に必要だと思っています。


そういった点において、BoPビジネスってマイクロファイナンスと同じく、批判的な目にさらされるべきフェーズに入ってきているのではないかと思っています。karnaniにしろ、もっと多くの方の批判的目線が入ってきてもいいでしょう。

ただ、BoPの社会的受益効果の実証と一言で言っても、非常に困難なものがあります。
そこで、もっと現地の人たちの生活に密着した形での調査やその影響性に対する考察が必要とされていると思います。

偉そうなことは言えませんが、そういったことが出来るのはやはり貧困層に関係性の距離が近く、また途上国の現状をよく知っている開発関係者の方々にはそういった役割が期待できるように思います。

(今回出会った女子大生の視点は非常に大事ですよね。専門家だけでなく、学生からの関心・言説が生まれていくことは、マスにおける関心を高めることには非常に役立ちますし、大学生の力をもっと上手く活かしていけたらいいなと思います。)




あ~~~、BoPに関する話だけで、長くなってしまいましたね。
今日はこのくらいで筆を止めておきます
まだまだ思うところがたくさんあるので(ありすぎるのでw)、一個一個消化するのは非常に大変ですが頑張っていきたいな~と思います。


Shucnihrio





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