2012年6月12日火曜日

テクノロジーの本質とエンジニアリングを学ぶ意味


おはようございます!

やろう!って決めても続けるのってなかなか難しいものですね。
前日お酒を飲んでいたり、目が覚めた時に雨の音がきこえたり、そんな少しの理由でサボってしまいます。
反省反省。
よく言われている言葉で「人はやらない理由(=言い訳)を探したがる」とありますよね。
僕も自分の怠けたい気持ちを抑えこむだけの’やる理由’を常に頭に描き、やりたいからやる、書きたいから書く、そして今日もやったから明日もやる、今日も書いたから明日も書くというポジティブ・ループを作って行きたいです。





さて、つい先日から「テクノロジーとイノベーション~進化/生成の理論~」というものを読んでいます。

各論のテクノロジーについては諸々の参考書籍があるのに、こと’テクノロジー’という概念そのものを考察している書籍が非常に少ないようです。
そこで、著者はテクノロジーそのものについて論じ、その生まれる過程や進化の過程を探っていこうとしています。
生活の中に当たり前のようにあり、あまり意識はしていないけれど、毎日その多大な恩恵にあずかっている私たちにとって、テクノロジーそのものについて考えるのはなかなか面白く感じられました。


テクノロジーはどうやって生まれる?

みなさんの周りを見渡して下さい。
そこにどれだけたくさんのテクノロジーはありますか?
携帯電話、テレビ、パソコン、電気ケトル、時計、プリンター・・・
これらのテクノロジーはどうやって生まれてきたのでしょう?

まずパソコンを考えてみましょう。
目の前のパソコンは何千という電子部品で成り立っています。
またこの電子部品もいくつかの部品で成り立っています・・・
というように、まずひとつ浮かび上がるのは
①テクノロジーはテクノロジーの組み合わせによって形成される
ということです。

また、上記において
②テクノロジーはそれ自身がまた次のテクノロジーを生み出す要素となりうる
ということも言えます。

こうやって、どんどん元を辿って行くとひとつの大元が見つかります。
それは自然現象・原理です。
パソコンの例だと、一番下まで分解していくと最後に残るのは半導体かな?
半導体は周りの環境(温度や電場etc)によって電気を流す流さないが敏感に反応する、という物質の特徴を使っています。
そこにはバンド構造だとかキャリアだとかn型p型・・・とありますが、これがそもそもの自然の現象・原理なのです。
半導体の持つ自然の原理を人間が持つある目的のために利用していくことで、人間はトランジスタを生み出し、トランジスタの応用からパソコンや携帯電話が生まれ、新しいテクノロジーが生まれていくのです。
つまり
③テクノロジーはすべて何らかの目的において自然の現象を利用している
のです。



経済はテクノロジーの’表現’!?

私たちの生活はテクノロジーと不可分です。
そして私たちが生きる社会の経済にもテクノロジーが大きな影響を与えています。
この本では「経済はテクノロジーの表現」と呼んでいます。
人間はこれまで何度かの産業革命を経験しています。
農耕具・農業技術が生まれたことで、狩猟社会から農業社会へ、
電気・蒸気機関が生まれたことで、農業社会から工業社会へ、と私たちの生活そして経済は移り変わってきました。
その移り変わりのドライビング・フォース(原動力)となってきたのがテクノロジーであり、経済はテクノロジーの発達により形成されていくことから、「経済はテクノロジーの表現」と呼んでいるのです

経済=社会が自身のニーズを満たすための調整と活動の集合体
とあります。
そして、先述の③の定義からテクノロジー=ある目的(ニーズ)に叶うように現象をプログラムすることなので、経済(から生まれる必要性)からテクノロジーが生まれ、そのテクノロジーによって経済が形成され・・・という循環が生まれます。
そして、より大きな見方で捉えると経済は人間の文化を色濃く反映させ、経済の変遷の過程は人間の歴史ということが出来ます。

つまり、テクノロジーは経済を表しているだけでなく私たちの文化や歴史にまで大きな影響を与えているのだということです。


ここまでの流れを図でまとめるとこんな感じです。

社会の必要性(ニーズ)を受け、それを叶えるように自然現象・原理をプログラムすることでテクノロジーが生まれます。テクノロジーとテクノロジーの組み合わせからまたテクノロジーが生まれます。
このようなテクノロジーの生成や進化の表現として経済があり、経済はテクノロジーの変化によって形を変え、また新たなニーズが生まれ、それを満たすためにまた新たなテクノロジーが生まれていきます。
この循環が歴史であり、循環の中に文化が存在するのです。


テクノロジーの本質とは?

ここまで、テクノロジーの生成/進化の過程を追って来ましたが、本書で述べているのはテクノロジーそのものです。
今まで述べてきたように、
「テクノロジーの根本は自然にある」
のです。
ルネッサンス以降、人類の自然の見方はテクノロジーによっていかに自然を克服するかという点を大事にし、必要以上に自然とテクノロジーを分離させてきました。
しかし、今まで見てきたようにテクノロジーは自然と不可分であり、テクノロジーによってテクノロジーが生み出され、生み出されたテクノロジーによってその生態系(経済や文化)に影響を与えていく、というその生成/進化の過程はよもや・有機的・生物的だとすら言えるのです。

地球温暖化・砂漠化・大気汚染・水質汚染・・・
私たちは今までに経験したことのない地球規模の大きな問題を抱え、その解決にはテクノロジーの進歩しかないと考えつつ、その一方でテクノロジーが自然から人間を分離し、自然を破壊し、私たちの自然を破壊するのではないかと恐れてもいるのです。

私たちは、自然を隷属させようとするテクノロジーと自然の延長線上にあるテクノロジーを区別し、私たちの人間らしさをより高めるための手段としてのテクノロジーを大事にしたり、有機的で生活を豊かにするものとしてテクノロジーを所有するという意識を持つことが大事になるのではないでしょうか?



エンジニアリングを学ぶ意味

以上が本書の主張ですが、ここからは本書の学びからエンジニアリング(工学)を学ぶ意味について考えていきたいと思います。

まず、本書ではエンジニアリングとは問題解決の方法としています。
今まで見てきたように、テクノロジーは社会の必要性(ニーズ)に叶うように、自然現象をプログラムすることで生まれます。
このことからテクノロジーを生み出すため必要なものは
・社会の必要性(欲求・問題解決=ニーズ)
・自然現象の深い理解
といえます。
本書の主張とあわせて考察すると、テクノロジーを考えるということはより深い自然と人間の調和を考えるということであり、そこから導き出されるエンジニアリングを学ぶ意味は

「まず自然現象・原理への理解を深め、それを用いて実社会での特定の目的を満たすようなソリューション(全く新しいテクノロジーであれ、テクノロジーとテクノロジーの新たな組み合わせであれ、空間デザインであれ)を提案していく」

というところにあるのではないかと思うのです。
逆に現在学校で受けている工学の授業を考えても、この定義に当てはまリますよね。
力学や量子力学は自然の現象・原理、数値解析や統計学は実社会への活かし方の基礎、というように。

学んでいる内容の意味がわかったら、俄然勉強は楽しくなります。
何に活かすかわからないからつまらないんです。
自然の根本の現象を理解していくことは、もともと(広義としての)自然の中で生まれ育つ私たちにとって、より深く自然を知ることはより豊かな人生につながるように思えますね。

僕もまだまだ大学生の身分。
大学での勉強もしっかり頑張っていきたいです!!





最後まで読んで頂きありがとうございました!!




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ブログ「Originalityとその先へ」は
工学を専攻し、国際協力に身を置き、起業を志す、そんな
大学生の日頃の学びや考えを発信しているブログです。
読まれた方の中に、生活の中でふとした考えの種を芽生え
させ、より豊かな一日を過ごすきっかけにしてもらえれば
幸いと思っております。

まだまだ勉強中の身のため、
記事の中には考え足らずな部分や失礼に受け止められてし
まいかねないところもあるかと思います。
そういった部分も含めて、意見をいただけたり応援して頂
けたらなと思います。

今後とも、よろしくお願いします!
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