2014年8月30日土曜日

インターン選考などで思ったことなど雑感①【2014-No.38】

こんにちは。
Shunichiroです。

先日の記事に書いたように、最近専らサマーインターンの選考などで毎日関西圏を飛び回っております。面白いインターンもありの、またあまり面白くないものもあり(失礼!)の感じで、色々な企業を体験させてもらています。

さて、インターンや選考面談をやる中で学ばせてもらうことも多々あります。先日も簡単に学びについて書いたのですが、今日の記事では先日書き切れてなかった部分について書いていきたいと思います。

  1. 明日から自分でやる!意識(オーナーシップ)
  2. ベンチャーのスピード感と大手の追求力
  3. 目標設定能力とコミットを定量的・具体的に伝える


    ◆明日から自分でやる!意識(オーナーシップ)
    1dayjobインターンでワーク中もフィードバックの際に強く言われたのが、「それ、明日からやれる?やりたいと思える?」というものでした。

    この質問には二つの意図があって、ひとつめには
    「そのプランについて明日から実行できるほど、具体的に考えられているか?」
    という点、二つ目には、
    「明日から取り組みたいと思えるほど、情熱がこもっているか?」
    という点があります。

    ビジネスプランを書くワークをやったことは何度もありますが、その時ってどれも明日からやれるようなものでは全くなく、非常に抽象的なアイディアベースのものが多かったんですね。今回のように明日から!何か動きだせるほど超具体的に詰めたことはなかったので、強く印象に残りました。

    これは、二点目にもつながってくるんですが、やはりベンチャーの特徴とも言うべきところでしょうか?まさに自分たちがその事業を創り上げてやる!一日でも早く創り上げてやる!そういった思いの結集として、ビジネスプランを考えているような強い気持ちを感じます。まさにそのアイディア、ビジネスに対してどれだけ自分がやる!意識、言いかえればオーナーシップをもっているか?を非常に大事にしているな、とひしひしと感じました。




    ◆ベンチャーのスピード感と大手の追求力
    サマーインターンというせっかくの機会なので、ベンチャーから中小から大手から色々な企業を見ているのですが、やっぱりそれぞれかなり違いますね~。

    前回の記事でも多少書いたのですが、やっぱりベンチャーのスピード感って半端ないですよね。とにかくガンガン創り上げていく感があって非常に面白いです。

    その反面、大手のところってスピード感がないとかよく言われてますけど、全然そんなことないです。大手の場合確かにベンチャーほどに何かを創り上げるスピードがめちゃくちゃ早いというわけではありませんが、その分世界の最先端、トップの位置で戦っているので、最先端の情報や理論などへのキャッチアップやそれを体系化して事業に取り込もうとしていくスピードがめちゃめちゃ早いんですよね。

    例えば、某日系消費財メーカーですが、常にP&Gやユニリーバといった企業などとトップ争いをしているためか、マーケティングの手法やそのフレームワークなどめちゃめちゃしっかり体系化されているし、かなり先端の手法を取り入れようとしているんですね。行動観察やエスノグラフィー、データアナリティクス、インサイトの抽出などは当たり前、さらにはそこから他にはない強みとなるような理論さえも生み出そうとしています。
    自ら事業を進めながらも、企業内研究所を設け、先端をどんどん取り入れようとしているところや理論構築もしようとしているところなどは、大手の強いところ、魅力的なところなのかなと思います。

    (逆に、中小企業に対しては、そのあたりのキャッチアップ力や見ているマーケットの違い、意識の違いは強く感じましたね~。自分としては、ガンガンやるベンチャーにも興味ありますが、将来的にPh.Dも意識しているので大企業での理論などを学んだり、実践したりという部分にもひかれますね。)



    ◆目標設定能力とコミットを定量的・具体的に伝える
    ある企業では選考面談でこの点について、めちゃめちゃ掘られました。
    なんだかんだ今まで色んなことやってきて、そこでなんとかなってきたんですが、改めてここを掘られるとなかなか説明が大変ですね。

    BoPとか適正技術とかデザイン思考ってあくまでツールにすぎないんですよね。それにリーダーシップとかマネジメントって言ったって、結局何をやったのかって人によって異なる。そこでそれらについて深掘りされました。

    結局、そのインターンは通らなかったのですが、改めて、
    ・何を目標に置き、
    ・それに対して、具体的に何を、どのくらい行い、
    ・それによって、どんな(客観的)成果につながり、
    ・その結果、目標に対してどの位達成に貢献したのか?
    という辺りをもっとちゃんと伝える必要があるのかな~と。


    例えば、OUESTにおいては、
    ・①適正技術を生み出すこと、②阪大にD-Lab的なものを作ることを目標に設定し、
    ・①に対して、学部院生文系理系合わせて20人弱のメンバー集め、週1回ないし2回のMTGを通して、マーケットリサーチや製品のアイディアを考え、2回のフィールドワークを行い、See-Dコンテストに2チーム出場し、優秀賞を獲得した。
    ②に対して、キーパーソンとなりうる先生方にアピール、プレゼンをし10人強のネットワークを構築し、また授業運営資金として財団より100万円を獲得し、シラバスの構築を一緒にやった。
    ・その中で、自分はリーダーとして、率先して先生方にプレゼンに行ったり、アピールをしていった。またそのネットワークを強固にするために、1カ月に一回進捗報告する機会をつくり、また先生方賀集まる総会の場のセッティングをした。それによって、See-D出場に対するアドバイス体制を構築し、See-Dコンテストにまで6人の先生方に来ていただけた。またネットワークがきっかけで授業化を検討するグループが出来上がった。

    みたいな感じですかね。
    なんかまだまだ定量化・具体化には弱い気もしますが、こういうところまで考えていく必要があるんだな、ということを学びました。





    以上、
    1. 明日から自分でやる!意識(オーナーシップ)
    2. ベンチャーのスピード感と大手の追求力
    3. 目標設定能力とコミットを定量的・具体的に伝える
    いかがでしたでしょうか?

    P/Lにしかり、定量化に然り、自分ってまだまだ具体的な部分にまで落としこんでいく力が弱いなと感じます。これからもインターンやビジネスプランワークの機会があるの、もっともっと具体的なレベルにまで落としこんで考えていく必要があるな~と強く思います。今後の精進ですね。


    Shunichiro

    2014年8月28日木曜日

    20140824某ベンチャー企業1dayjobに参加して【2014-No.37】

    こんにちは。
    Shunichiroです。

    最近サマーインターンやその選考に追われる日々です。
    おかげで世のなかの人たちが就活に苦しむ理由も少しながら肌に感じています。サマーインターンやジョブのところまで行くと楽しい部分もありますが、実際それ以上に選考面談,やESがめんどくさい。無駄に時間取られるし、結局何をどう判断してるのか見えづらいからなんか嫌ですよね。それにお祈りされると、ぶっちゃけ全然興味ない会社でもそれなりに凹みます(笑)なんなんでしょうね、この感じ(笑)確かに何十社からも祈られたら鬱になったり自殺に走る気分もわからなくはないです。


    さてさて、そんなサマーインターンですが学べたところなどもたくさんあります。せっかくなので色々とアウトプットさせていただきまして、最大限利用してやろうかなと思います(笑)今回アウトプットするのは、某ベンチャー企業の1dayjobでの学びになります。

    事業内容としては、
    • webマーケット支援事業
    • webメディア事業
    • 事業開発支援
    となってます。
    ジョブとしては一日のプログラムとなっていて、
    お題は
    「グルメメディアマーケットにおいて新規事業を創出せよ!」
    というものでした。
    競合としては、食べ〇グさんとかぐるナ〇さんとかになります。

    最初に簡単なガイダンスを受けて、まあいきなりジョブに部っ込まれたわけですが、要所要所フィードバックなど参考になりましたので、そこら辺を中心に記事にしていきたいと思います。
    1. マーケットに聞け!(ユーザーヒアリングの効果とマーケットへの“感覚”)
    2. とにかくエネルギーを割かず、効果の高い方法をとれ!
    3. P/Lに魂を込めろ!
    ◆マーケットに聞け!(ユーザーヒアリングの効果とマーケットへの“感覚”)
    ―ユーザーヒアリングの効果
    よく言われる「誰に?どんな価値を届けるか?」から事業開発って始めていくと思うんですが、そのターゲット顧客の仮説がでてきたら、「どんどんマーケットに聞け!」というのを強く推奨されました。テレマから飛び込みから友人へのヒアリングから、色んな方法をとって顧客からヒアリングをしました。

    このユーザーヒアリングって、単なるアンケートではないんですよね。
    まず一つには、実際にユーザーヒアリングを行っていくことで、自分たちの仮説がどれくらいを的を得ているのか?を測り、改善を繰り返していく(まさにリーン!)狙いがあり、
    また、自分たちの仮説が自分たちだけの思いこみのアイディアではなく、実際に客観的な目線からも支持してくれる人たちがいることを確認する行為でもあるんですね。

    自分たちが「これ欲しい!」って主張するだけでなく、「××ちゃんも〇〇くんも欲しがってる」っていう情報があれば、それって自分たちにとっても自信になるし、相手(例えば、上司や投資家)を説得する材料にもなるんですよね。

    過去参加したスタートアップウィークエンドでも実際に顧客に聞いていくフェーズ(MVP)がありましたが、今回もこれを強く言われ、やっぱり昨今の事業開発において初期の初期段階からいかにユーザーとコミュニケーションをとるべきかというのを考えさせられました。

    ―マーケットへの“感覚”
    それと、自分たちで顧客を設定していったら、その顧客の属性や特徴などなんとなくのペルソナが出来上がりますよね。アイディアをより煮詰めていくには、上記ユーザーヒアリングを使いながら進めていけばいいのですが、それと同時に大事なのが、そこにどれだけのマーケットがあるのか??というところ。

    例えば、個人経営の居酒屋さんを対象にする、という形で顧客を設定した場合、考えていかなければならないことは、
    「じゃあ、そんな居酒屋ってどこだろう?」
    「自分もよくいく××っていう居酒屋かな?」
    「じゃあ、そこってどのくらい儲かってるんだろう?」
    「客単価が〇〇円で、一日平均来客数が××人で、そしたら年商が△△万円かな。」
    「そしたら、そんな居酒屋って広告費になんぼ払ってくれるんだろうか?」
    「そもそも、そんな居酒屋って日本にどれくらいあるんだろう?」
    「阪急宝塚沿線沿いで考えると、一駅あたりに何件くらいの個人経営の居酒屋があるんだろう?」
    「そしたら大阪全体では?関西全体では?日本全体では?」
    ・・・

    はい!まさにフェルミ推定的なところですね。
    こうやって、具体的にイメージにあう顧客(出来る限り、自分に身近なところでの顧客)を思い浮かべ、その顧客のいる層(群)がどれだけの大きさがあって、その中ではどれくらいの収益の見込みが立って、、、というのを考えていくのが非常に大事になりますし、新規事業立ち上げ時にはそういった肌感覚ベースでも顧客に対して思いを馳せていくことが大事になります。色んな意味で。


    具体的な顧客からイメージできる広告に払える費用などは実際にそのサービスを使ってもらえる余裕があるのか?を確認することにつながりますし、全体としてどのくらいの顧客がいそうなのか?という情報は、持続的なビジネスとして成り立つのかを判断するのに必要になります。また全体的な顧客の数が分かれば、それに対するマーケティング戦略や営業戦略及び人件費を考えていくことにつながっていきます。



    ユーザーヒアリングもマーケット感覚も含めて、どれだけたくさんマーケットに聞いたか?マーケットを考えたか?というのは、非常に大事なポイントになるんだなって思いました。



    ◆とにかくエネルギーを割かず、効果の高い方法をとれ!
    やっぱりベンチャーってスピード感が違うな~って改めて思いました。
    私が今まで経験したことがあるのってコンサル業界で、コンサル業界だとクライアントへのプレゼンや伝えることが仕事になるので、ちゃんと資料を作成することを求められます。どんなに小さなタスクでも必ずエクセルやPPTなどを作成・共有し、そのまま最終成果物につなげられるようなアウトプットを求められます。

    今回もそんなノリで中間報告に向けて資料を作成していたら、バリバリでダメ出しされました(!)。曰く、
    「パワーポイントなんて無駄に労力がかかるだけやし、調べた内容とかが伝えやすいようにそぎ落とされちゃうから本当にもったいないツール。そんなもの作ってる暇あったら、もっともっと考えなさい!行動しなさい!」
    とのことで、ベンチャーのように自らがガンガンプレーヤーになって事業を創っていく姿勢(または文化)と、コンサルのようにクライアントありきで価値を提供していく・伝えていく姿勢(文化)ってまるっきり、心構え、文化、背景にある考え方が全く違うんだな~って強く感じました。

    確かに、わざわざ会場セッティングして、わざわざパワーポイント作って、わざわざ時間合わせてプレゼンするより、デスク突撃で手書きでいいから紙媒体3枚ですぱっとその場で共有できた方が早いですよね。

    生産性というのはどこの業界でも聞く言葉だし、仕事を行っていく上で非常に重要な考え方だと思いますが、業界によっては生産性の定義や考え方って全く異なるんだなって思います。コンサルやったら、最終成果物であるプレゼンテーションに向けていかに少ない労力で最短で進むか(まさにIssueから始めよ、もそうですよね)に対して、ベンチャーは新規事業の創出というところに対していかに少ない労力で最短で進むか、、、考えてることは同じなのにゴール設定の違いでここんなに差が出るなんて、ベンチャーを経験してすごいいい経験になっています。、コンサルはコンサルで非常に魅力的で面白い仕事だと思いますが、ここら辺については改めてベンチャーのスピード感や自ら価値を創造していくハングリーさを感じました。



    ◆P/Lに魂を込めろ!
    さて今回のジョブでは、一日で事業立案からP/Lまで作成しろ!なんて、「めちゃくちゃ詰めこむやんw無理げ―やろw」みたいなノリ(まあ、非常に緊張感のあるノリですよね(笑))だったんですが、社員の方々は「P/Lに魂込めろ!」ってめっちゃ言ってました。

    これってどういうことかというと、上記の「マーケットに聞け!」でペルソナの具体的イメージから推定するマーケットサイズがマーケティング戦略、営業戦略、人件費につながっていくって触れたと思うんですけど、そういった今まで検討してきた全てのことを最終的に落としこんでいった結果P/Lになるってことなんですよね。

    「全体顧客数が××だから、それに対して〇%のシェアを奪うべきか?」
    「実際に何%が奪えるのか?」
    「何%奪えば、いくらの売り上げになるのか?」
    「売り上げにつながるKPIは何か?」
    「そのKPIはどんな要素で成り立っているのか?」
    「その要素を満たしていくためには、どんな営業をすべきか?
    「それには何人何月割けばいいのか?」
    「あるいは、どんなプロモ―ションをするべきか?」
    「そのプロモーションではどんな効果が期待できるのか?」
    「その効果を測定するKPIは何か?」
    「そのプロモーションをするにはいくらかかるのか?」
    ・・・
    そしたら、それらを達成するためには、
    「どんな人材戦略を取るべきか?」
    「社員なのか、バイトなのか?」
    「どのタイミングである施策を打つのか?」
    「設備投資をどんなタイミングでやるのか?」
    「そしたら、事業資金としていくら必要か?」

    つまり
    「投資家から調達したいお金はいくらになるのか?」
    ってところにつながっていきます。

    書きつかれた(笑)
    でもね、こうやって挙げたことを数字として落としこんでいって、超具体的に事業を考えていくのがP/Lなんですよ。だからP/Lって独立したただの資金計画なんかじゃなくて、抽象的なビジネスモデル・ビジネスアイディアから、超具体的な数字というビジネスモデルへと変換する行為なんだと思います。つまり、P/Lこそがビジネスモデルです。

    「社員さんがP/Lに魂込めろ!」っていうのは、そういうことなんだと思います。
    P/Lみたら、そのビジネスに対してどれだけ熱意があるか?どれだけ考え抜いているか?が見える、と言っていたのが、すごく分かります。ただの文言として書いただけでも結構頭使ったのに、それを具体的な数字で検討していくって、、、

    逆にいうと、そのしんどさも乗り越えられるくらいじゃないとP/L、あるいはビジネスモデルにすら辿りつかないただの妄想にすぎないんだ、っていう強い意識かもしれませんね。
    P/Lに対してそんな見方したことなかったし、そんな奥深さがあるなんて、正直圧倒されました。




    以上、
    1. マーケットに聞け!(ユーザーヒアリングの効果とマーケットへの“感覚”)
    2. とにかくエネルギーを割かず、効果の高い方法をとれ!
    3. P/Lに魂を込めろ!
    いかがでしたでしょうか?


    全体を通して、時間が短くめちゃめちゃ濃縮されてることもあって、非常に充実感はありました。なによりベンチャーの風土や文化を肌で体験できたのが面白かったですね。マーケットのことやP/Lに込める思いというのも含めて、ベンチャーって面白いなって改めて思います。

    他のインターンに参加したりもする中で、雑感的なところでも色々と思ったことや考えたことなどあるので、別記事に分けて紹介したいな~って思います。


    Shunichiro

    2014年8月15日金曜日

    20140724脳科学シンポジウムに参加して【2014-No.36】

    こんにちは。
    Shunichiroです。

    お盆の時期ということで、久しぶりに実家に帰っています。
    母の手料理を食べ、おやじと酒を飲み、おばあちゃのじいちゃんも合わせて団欒する、そんな幸せを噛みしめております。その中でどうしても大学の話や就職の話も、、、早く卒業して安心させてあげたいな~と思ってしまいます。


    さて、しばらく時間が空いてしまいましたが、先月参加しました脳科学シンポジウム
    http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/seminar/2014/07/6070
    に参加してきました。
    (実は私、興味の幅が非常に広く、脳科学や神経科学なども勉強しております。映画トランセンデンスを見て以来、シンギュラリティの概念にも関心が生まれており、今後の未来を考えると脳科学はひとつ面白いキーワードになると感じております)

    さてシンポジウムに参加しての学びや感想などを記事にしていきたいと思います。

    1. 人間の進化とは、脳と道具の共進化のプロセス
    2. まばたきと理解の区切りの関係
    3. 脳活動の辞書を作ろう

    ①人間の進化とは、道具の利用による環境コントロールの成果~「手の中の脳ー手と道具の人類史ー」~
    人類の進化は道具の利用とともに進展していきました。
    原始人における火の利用に始まり、農耕具や武器、さらには近代の産業革命など、人間の発展とその道具は密接な関係をもっています。

    現在の社会において、人間だけが他の動物種と比べてより優位になっている理由の一つとして、道具の利用が挙げられますが、実はそこには一般的に考えられているよりももっと深い進化上の特異点がみられるとの事です。

    生物学の祖、有名なチャールズ・ダーウィンの言葉で以下のようなものがあります。

    最も強い者が生き残るのではなく、
    最も賢い者が生き延びるのでもない。
    唯一生き残ることが出来るのは、
    変化できる者である。

    良く聞く言葉ですよね。
    動物は進化の過程で、その身体自体を変態させて過酷な環境に対応していました。

    では、人間はどうでしょうか??
    今の私たちの身体はこの数千年の中で大きく変わっていませんよね。寒い時期も暑い時期もあったことでしょう??でも私たちは自分達の身体を変態させることなく未だにこの地球上に生き延び、さらには地球全体を覆うほどにに繁殖さえしています。

    その肝になったのが、道具であることは間違いありませんが。
    実は特筆すべきなのが、その生存戦略なのです。


    人間以外の他の生物は、環境に合わせて自らの身体を変態させることで生き延びてきました。自らの身体を環境に合うように適応させていくのが人間以外の生物の生存戦略です。

    しかし、人間の場合は環境に合わせて身体を変態・適応させることをせずに、道具を用いて、環境そのものを改変することで生き延びてきています。寒ければ火を使い暖をとり、洪水になれば船をつくり、、、道具を利用することで環境そのものをコントロールすることで生き延びてきました。それが人間の生存戦略だったのです。

    すなわち、
    人間以外の生物=環境に合わせて、身体を変えて進化していく
    人間=身体を維持しながら、道具を進化させて、環境自体を変えていく

    人間とその他の生物の違いはそこにあるのだと言うことです。
    そして、その生存戦略の結果、道具の利用とともに私たちの脳はさらなる発達をとげ、今の人間・社会というところを築くにいたった、との話しでした。



    昨今の話題として、IoTであるとかシンギュラリティであるとか人間とテクノロジーが作り出す世界に対して色々な話もありますが、この話を踏まえると、私は楽観的な未来があるのではないかと思います。なぜなら人間の歴史そのものがテクノロジーと人間の脳の共進化の歴史であるならば、シンギュラリティの世界でも同じように人間の脳もともに進化をしていき、人間に適合した世界・環境を構築していく知性をもち合わせていると考えられるからです。
    来るべきシンギュラリティの世界に対する新たな洞察がくわわりました。


    ②まばたきと理解の区切りの関係~「瞬きから探る脳内情報の仕組み」~
    まばたきっていつも自然にしていますよね。
    一般的にはまばたきって、目の乾燥を防ぐために自然に行われているものと思われていますが、実はまばたきには人の理解に対して大きな関係があるようです。

    映画や動画、人の話を聞いている際の人の瞬きのタイミングなどを計測したところ、話し手も聞き手も話はじめや話の句切れでの瞬きが多いそうです。この点を人の理解という点で考察すると、話し手と聞き手の間で暗黙の情報の切れ目(理解の句切れ)が共有されていると考えられます。

    すなわち、人は話の句切れ等で瞬きをすることにより、情報をブロック化して脳の中で理解しているのではないかと考えれます。まばたきというのは脳的にはその瞬間視界からの情報が寸断されています。その一瞬の合間にて、脳の中の情報処理の容量を増やし、まばたきとまばたきの間受け取った様々な情報の処理をおこなっていることが考えられるそうです。

    まばたきによる情報処理の共有性。
    瞬きによる、情報処理のブロック化。
    という点は、非常に面白く感じられました。
    話を聞きながら考えたことは、この情報処理のメカニズムを逆に利用すれば、例えばプレゼンテーションなどで相手の瞬きのタイミングを測ることで、こちらが提供している情報に対する相手の理解を推測することも可能になるんじゃないかなと思います。



    ③脳活動の辞書を作ろう~「脳が見る世界を可視化する」~
    脳活動を測る装置がどんどん発達しており、ある行動や情報に対する脳の反応やその際の活動がかなり細部まで調べることが可能になっていまう。それを用いて、人に固有の脳活動について辞書をつくれないだろうかと模索しているそうです。

    人の脳は、様々な現象に対して、脳をフルに動かし何らかの反応を起こしています。
    ある脳活動に対して、どのようなインプットが生じたのか、あるいはどのような反応が生じるのかについて辞書みたいなものをつくり、解説できるようになることは非常にチャレンジングな取り組みです。

    脳活動に関する辞書が出来れば、逆に脳活動をこちらからデコーディングすることが出来るようになり、人の感情や行動さえも制御できるようになる可能性もあります。少し怖い話でもありますよね。

    また脳活動の辞書を作っていくことにより、固有のものや特有のものの見分けがつくようになり、人種・性別・文化ごとの脳活動の違いなどを浮き彫りにすることができ、将来的には脳神経文化人類学なども!?考えられるのではないかと思います。



    以上、脳科学シンポジウムにて学んだことをざっくりではありますが、紹介させていただきました。脳科学分野って非常に難しいイメージがありますが、とても魅力的な研究に思います。脳科学の発展がどのように人類の発展に貢献していくのか、非常に関心が持てました。


    それでは~~

    Shunichiro


    2014年8月11日月曜日

    リーンスタートアップこそビジネスの概念を覆す?~プレイフルイノベーションに参加して②~【2014-No.35】

    こんばんは。
    Shunichiroです。

    最近またまた筆不精ですいません。
    夜勤やらテストやらがあるとなかなかですね~><

    負債の清算に忙しいです。笑
    明日、一応試験あるのにな、、、
    脳の中の掃除と言いますか、テスト前になると急に部屋の掃除をしたくなる現象と同じかもしれないですね。とにかく、溜まっているものはどんどん吐き出して、清算して、すっきりした状態になりたいですね。
    (そういえば、もう夏ですしね。どうでもいいことですが(笑))


    さて、上田先生のプレイフルイノベーションに参加して、の続編になります。
    本当にこの一日で学んだことは大きすぎる。
    社会人向けのセミナーで8000円も払って飛び込んでいった結果、ほんまに衝撃的すぎるほどの学びを受け取っています。

    (やっぱり、自分にとって多少チャレンジングな機会に飛び込んでいくのは、本当に大事ですね。俺なんかが行って大丈夫かな~という多少の不安を抱くくらいの機会にこそ参加して、本当にちょうどいい塩梅くらいのものなんじゃないかと思います。思い返すと、IWEEStartUpWeekendもそんな感じでした。)


    さて、その他として色々学んだこと考えたことを紹介していきたいと思います。
    (少し日にちが空いてしまってうろ覚えな部分もありますが、ご了承ください。)


    ◆プレゼンへの熱の入りでそのチームのまとまり、クリエイティブ度がわかる
    こういう即興型のワークだと、本当に短時間の中で少々無茶なお題をこなして、かつプレゼンテーションまでしないといけないんですよね。そうすると、その課題をどうやってクリアするか?それぞれの創造性が試されるんですよ。

    もちろん最初は、どのチームも非常に悩みます。
    悩んでる時ってどうしたらいいのかわからないので、議論も進まないし、面白くない。どこかのタイミングでブレークスルーしないとどこまでもずるずる行ってしまうんですね。そのままプレゼンテーションまで行ってしまったら、もうゲームオーバー。アイディアが出ないまま、チーム内でもいがみ合ってしまい、アイディアにも自信が持てないから、プレゼンテーションも熱が入らないし、面白くない。

    最後のプレゼンテーションを経て、みんなで振り返りディスカッションしたときに伺ったんですが、アイディアのブレークスルーがなかったチームは、半分ケンカ状態だったそうですし、プレゼンテーションも不安しかなかったとの話をしていました。反面、ブレークスルーを起こしていたチームは、チーム自体のまとまりも強く、お互い活発なコミュニケーションを図り、楽しくプレゼンテーション(今回は寸劇)していました。

    即興型のWSにおいて、プレゼンテーションを見れば、そのチームのまとまり、ブレークスルーの有無(創造性の発揮)についてみることが出来るのではないかと思います。


    逆に言えば、ブレークスルーが起きることで、チームの創造性が発揮されるだけでなく、チーム自体をより強固にしていく効果もあるんじゃないかと感じました。



    ◆学びとは環境との相互関係
    小中高校の経験からすると、学びってとにかく一人でゴリゴリ机に向かって、ってイメージがあると思いますけど、学びの本質って実は環境にあるそうです。

    人は一人では学べない。
    周囲の環境との相互作用の中で、学びが深まっていくそうです。
    周りとの関係性の中で、周囲の環境それ自体、あるいはツール、人間、、、あらゆるものを利用して自らの可能性を広げていく、あるいは周囲の環境から自分の可能性をどう引き出してもらうか、という視点が非常に大事だそうです。

    21世紀の学びにおいては、周りの環境を利用する能力、あるいは自分に最適な学びの環境自体を自ら構築していく能力が、人の発達を大きく作用していきます。

    そのために、
     ・他者とのダイアログ
     ・憧れの最近接領域(メンター・師匠)
     ・自らワンランク上になるためのステージを構築し、自ら乗っかる力
     ・自らのために動いてもらえるようなコミュニティを構築する力
    などが求められていきます。


    ◆リーンスタートアップこそビジネスの概念を覆す??
    なによりこれが一番私にとって衝撃的でした。
    どういうことかと言うと、リーンスタートアップ、ラピッドプロトタイピングによって早い段階からどんどんどんどん共有・フィードバックをもらっていくと、経費の削減につながると言うだけでなく、みんなをポジティブな感情に巻き込む「協力ゲーム」の形になっていくということです。

    従来でしたら、クライアントからの依頼、あるいは社内で上司から命令を受けた後、ある程度の期間を与えられて、その期間の終了時にアウトプットを提出(プレゼンテーション)して、という形ですよね。反面、リーン・ラピッドプロトタイピングだと、早い段階でどんどんクライアントなり上司なりに共有・プレゼンテーションして、どんどんフィードバックをもらってまた改良していくというプロセスですよね。

    ここに二つのポイントがあって、リーン・ラピッドプロトタイピングの考え方を持ちこむことで、①経費削減、②巻き込みが可能になるんです。

    ①経費削減
    経費ってそのプロジェクト期間中で積み上がっていくものですよね。
    俗に言う"積分(懐かしい!笑)"みたいなものです。
    従来の考え方だと、プロジェクトの進行期間が長いため経費が積み上がっていきます。しかし、リーンの考え方を用いると、細切れの期間がたくさん存在することになり、積み上がりが小さくなっていくんですね。

    それを可視化すると以下のような感じ。(下手な絵ですんませんw)
    リーンのプロセスでは、非常に素早いプレゼン・共有スパンにより、経費の削減が図れるというものですね。

    自分にとっては、経費は"積分"プロセスとの考え方が新しかったですが、ここまではよく言われるリーン(無駄のない)の考え方の一般的なものですね。


    さて、次が非常に面白い点で、
    ②巻き込み
    リーンのプロセスの中では、何度も何度もプレゼン・共有して、何度もフィードバックをもらって改良して、、、ってなるのですが、そのプロセスによって、クライアント・上司をポジティブに巻き込むことが出来るようになるんです。何度も見せて、何度もフィードバックもらって、、、ってなっていくと、クライアント・上司とコミュニケーションの量が増え、また一緒に創っていくというような形になっていくので、自然と相手を巻き込むことが出来るようになるんです。

    すると、プロジェクトの進行というものがお互いにとって非常にワクワクさせられて、一緒に楽しんでやっていきたいものになっていくんですよね。従来だったら、クライアントと上司という少し壁のあるような存在でも、リーンの考えの実践によって一緒に創り上げていくパートナーになっていくというパラダイム変化が起こるんです。

    その関係性のイノベーションの点,に非常な面白さとともに大きな可能性も感じます。
    リーンによって、ビジネスの考え方がドラスティックに変わっていくんじゃないかという可能性の存在を強く感じました。



    ここまで、少し大きなトピックで学びを紹介していきました。
    以下は、例のごとく、細かなトピックで挙げていきます~
    ・誰とやるか問題。
    シリコンバレーでも言われているそうですが、チームの創造性を考えたとき非常に大事なのが「誰とやるか問題」なのだそうです。ただ多様なだけでなく、それぞれのアイディア・志向性の相性が合い、一緒になることでブレークスルーを起こせる人同士がつながることが非常に大事なのだそうです。必要としているスキルや能力もあると思いますが、一緒にやることでブレークスルーを起こせるような相性のいいパートナーかどうかについて、もっとシビアに選ぶべきとの事です。

    ・Free Food文化
    西海岸などでは、Free Food文化があって、どこかの研究室などでピザが届けられたらSNSで拡散するそうです。すると、分野や所属などに関係なく色んな学生があつまり、その中で新たなコミュニケーションやアイディアが生まれていくそうです。いかにも、アメリカらしい文化だなと感じました。

    ・責任ゲームか協力ゲームか
    先ほどのリーンの考えの付け足しですが、期間の長い中だとかかった経費が大きい分それだけちゃんと成功させなくては、、、という責任を与えることになります。(マネジメントとはいかに責任を与えて、遂行させるかという問題ですしね。)その中では、人のモチベーションは責任の基に発生します。しかし、リーンの考え方では、上記「巻き込み」に責任ではなく、協力のモチベーションが発生します。
    責任ゲームか協力ゲームかというパラダイムの中では、それぞれで大事にされるバリューの所在が垣間見えて、その差異が非常に面白いですね。

    ・能力≠実体、but分散
    一般に能力って、その人固有に属する実体のあるものだと思われがちですが、そのパラダイムも変わりつつあるそうです。今やソーシャルの時代の中では、自らの能力は周りの環境にも非常に由来します。そのような中では、実は自分の能力は周りの環境に分散されており、分散されている能力をいかに活用・統合していくが大事だということです。



    まだまだ書きたいことは本当にたくさんありますが、とりあえずここまで。
    また雑感みたいな感じで、追記していきたいな~って思います。

    1カ月かかってやっと書き終わりました。
    自分にとって学びが大きすぎて、消化するのに時間がかかってしまいました。けっして筆不精のせいではありません(笑)

    もっともっと学んで、もっともっとみんなに発信していきたいなって思います。



    Shunichiro