2015年1月17日土曜日

読書メモ「企業2020の世界~未来をつくるリーダーシップ~:ハヴァン・スクデフ」【2015.No-7】

こんばんは。
Shunichiroです。

昼間の惰眠を取り返すかのように、本日3本目の更新です。
いずれもアナログ媒体でメモしたものを、電子上にまとめ直すというプロセスのため、そこまで知的作業というわけではないのですが、やっぱり疲れるものですね。
(こういう作業をしていると、アナログ媒体の自由度の高さには改めて感心します。)


さて、3本目の読書メモは、
「企業2020の世界~未来をつくるリーダーシップ~:ハヴァン・スクデフ」
http://i.bookmeter.com/b/453260530X
です。

⓪序文
問題=市場の失敗、無責任、近視眼的行動によって引き起こされる
⇔経済的にも社会的にも環境的にも持続可能性あるものにするための行動と政策が必要

政策=①外部性の開示、②資源課税、③広告に対する説明責任、④レバレッジの制限
行動=①国レベル、企業レベルでの改革、②資源に対する価格設定、③2020年型企業、④パートナーシップ

⓪”はじめに
(1)BPの事例=負の外部性
⇒1年後「リオ+20」が開催されたが、その中に企業の姿はない。
環境における企業の重要性への認識

(2)企業1920の台頭
特徴=①株主の有限責任、②企業の法人格、③利益の拡大
目的=①需要の創出と拡大、②高品イノベーション、③低コスト生産
⇒すなわち、
①規模の追求、②ロビー活動、③過剰な広告活動、④レバレッジ

(3)企業2020に向けた取り組み
・取り組み
 ①企業と社会の目標を一致させる
 ②企業をコミュニティとする
 ③企業を教育の場とする
 ④企業を資本形成工場とする(=外的条件(政策など)を整えることで、新しいDNAを持った企業のみが生き残れるようにする)

・グリーン経済を追求する
=自然資本を国の経済成長の中心的評価にする考え方(「GDPを超えて」、WAVES)


①企業の法制史
ローマの時代=社会的営業許可制度
⇔しかし、
アメリカから変化が起こる(マーシャルの判決、無限責任から有限責任へ、ドッジ対フォード判決)
⇒これらの背景のもと、1920年型企業が誕生していく

②大いなる連携
(1)自由市場×資本主義×民主主義+GATT、WTOの発足により、
企業の影響力が大きくなる
→ロビー活動の影響が大きくなる
→行政、国際政治における影響力が大きくなる
(2)同時に、
規制緩和や輸送・通信技術の発達により、世界経済の発展が起こる
⇒それらによって、多国籍企業が誕生し、対外直接投資の増加、金融改革につながる

③企業1920
特徴=短期志向、一過性、報酬格差、説明責任の欠如
(すなわち、資本主義の思想そのものを体現している)
その背景のもと、
①規模の追求、②ロビー活動、③過剰な広告活動、④レバレッジ
が行わる。
②③の結果、
企業が社会に大きな影響を持つようになり(GDPの60%、雇用の70%)、
企業活動により、社会的コストを増大させることにつながっていく

④企業の外部性
・正の外部性=技術革新、アイディア、人的資本
・負の外部性=環境、大気汚染、森林破壊
⇒負の外部性の内部化に向けた取り組みが行われる(例:TRUEVA(真の経済的付加価値))

⑤外部性を取り込む
つまり、インセンティブの問題であり、すなわち価格設定・市場取引の問題である。
⇒そのためには、以下の取り組みが必要
①会計システムの改革(IFRS(国際財務報告基準)に環境リスクを盛り込む)
  事例:プーマによる環境損益計算書、インフォシスの取り組み、国際NPOによる「Carbon Discloser Project」、投資家・ビジネススクールの取り組み、保険会社、、、
②企業に対する課税と助成金の制度
③規制

⑥広告の説明責任
広告産業は小さいけれども、影響力は大きく、マスメディアはもはや生活の一部にまで取り込まれてしまっている。

⇔しかし、パワーバランスにおける変化が生じる。
ジョン・F・ケネディ米大統領による4つの権利
①安全を求める権利、②選択する権利、③情報を得る権利、④意見を聞かれる権利=オープン・リスノミクスの誕生

⇒未来の広告のあり方
原則①公平、②広告における透明性と情報の開示、③消費者の行動を変えるきっかけになる(=製品の寿命を製品本体とすべての広告に記す、原産地を記す、製品の処分方法を記す、広告費の一部を寄付のために用いる

⑦金融レバレッジを制限する
金融レバレッジは、システミック・リスクをはらんでいる(すなわち、外部性をはらんでいる)。
(事例:リーマンショックは、レバレッジによる外部性の好事例。
「大きすぎてつぶせない」→モラルハザード、国民経済の圧迫、)

⇔取り組みの必要性、
規制、情報開示・透明性、課税、制限、インセンティブと報酬システムの改革

⑧資源への課税
石油、石炭、その他鉱物などブラウン経済の基盤に対する課税を行うべき
⇒そのために、
技術イノベーションと資源価値の再評価
を行っていく
⇒ブラウン経済からグリーン経済へと移行を進めていく

⑨企業2020に向けて
・「いかに企業の目的と行動を変えるか?」が大事
そのためには、以下の現状を把握し、
①まずは行動を起こさせる、②株主の変化(個人、コミュニティ→機関投資家)、③消費者の選択の変化
行動を促していく

・新しいDNA
 ①企業と社会の目標を一致させる
 ②企業をコミュニティとする
 ③企業を教育の場とする
 ④企業を資本形成工場とする

⇒そのために、新しいルールを作っていく
例:外部性についての情報や開示に関する規制を設ける、新しい税制度、宣伝広告の見直し、Bコープなどの新しい形態の企業を認定・登録する法律、ロビー活動の抑制など

⇒そのためには、規則、規制、税金、インセンティブの4つの視点へのフォーカス
具体的取り組み:サーキットブレーカー、政府による優遇・排他措置・投資政策の転換、ロビー活動やキャンペーンを抑制させる有効な法律の導入、新しいオーナーシップの実現(長期投資への議決権、権力の構造、財務的構造、教育と研修、給与体系と平等性に関する改革など)

⑩企業2020の世界のために
・経済的成功を再定義する
すなわち、既存のGDP偏重からグリーン経済的使用への移行など

⇒そのために、
透明性・評価・開示性、課税、政府の投資と公的調整、規制に対する取り組みをもっと強化していくべき。



以上ですね。
こうやって書いていると、確かに章立てベースだと書籍の内容に沿っていて読みやすいのかもしれないけど、けっこう冗長ですね。自分のメモ書きをまとめていく方が、要点などをさっと伝えられて、便利かもしれません。(あとで電子上にまとめ直ししやすいのも良いですね(笑)この記事けっこう時間かかりました。。。)

試行錯誤しながら、最適な方法を見つけて生きたいと思います。



Shunichiro


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