2013年10月27日日曜日

身の丈に合った支援を【No.95】

こんばんは。
Shunichiroです。

台風も過ぎ去り、今日の大阪はやや風が強いながらもいいお天気でした。他の地域の方々はどうだったでしょうか?また台風の被害はなかったものの、昨晩東北地方で地震があり3・11の恐怖を思い返してしまいます。
大事なく過ごしていきたいですね。


さて、先日のブログ(No.94)にて、「武器をアートに」という展示を見たことやモザンビークにおける平和構築活動についての記事を書きました。その中で、内戦終了から20年以上が経過し国際的な関心も薄まり支援物資などの運営資源の確保に課題が生じている、という話をしました。

内戦に限らず、時間の経過と運営資源の確保は非常に重要で、かつ難しい課題となっています。そして、支援に携わる人々にとっては、そのような状況の中でどう支援活動を継続していくのか?支援組織としてどうあるべきなのか?という問題はセットで考えていかなければならない問題になっています。

そういう課題について、説明をしてくださった方に尋ねたときのお話が非常に興味深かったので、今日はそのことについて記事にしていきたいと思います。



・減り続ける寄付、撤退していくパートナー
今回の「武器とアートに」展を行っているのは、「えひめグローバルネットワーク:http://www.egn.or.jp/」さんという団体で、内戦終了後から、内戦で使っていた武器と交換に農具や自転車等の生産物を提供し、紛争復興の手助けをしています。しかし、内戦から月日がたつにつれ、寄付金は減り、また農具や自転車、他にもミシンなどといった物資を提供してくれていたパートナーの方々もどんどん撤退していってしまいました。

このあたりは国際協力活動と人々からの寄付・企業のCSRのジレンマですよね。国際協力はそこに支援を必要としている人々がいる限り続けられますが、時間が経つほど他世間からの関心はどんどん減っていき、それに伴い企業もその活動へのリソースも減っていきます。CSRって単なる寄付じゃなくて、世間からの評価というリターンを求めた“投資”なんですよね。
だから、時間による世間の関心の減少と企業からの支援の減少ってリンクしてしまうんです。


・無理をしてでも維持すべき??
提供されるリソースが減ってしまうと、支援活動を続けていくためには自分たちなりにリソースをGetしていかなくてはならなくなります。関心を呼び戻せるように、今までより多くの人にアピールしたり、今までとは違う企業に営業に行ったり・・・

でもそうやって色んなところに活動の幅(バックヤード分野においての活動)を広げていくというのは非常にパワーがかかるところなんですよね。支援を続けるためにはそういう活動を行っていかなくてはいけないけど、でもそこにパワーを使えば使うほど、本来やりたいことである現地への支援のための活動にパワーが割けなくなってしまうんですよね。

非常にジレンマなんです。
すると、ここで考えなくてはいけなくなってくるのですよ。自分たちの支援の意味や、支援の形がどうあるべきか?ってところ。無理をしてでも今のままの支援の形を維持するのか?現状を受けいれて今の支援の形を変えるべきなのか?


でも、そこでどうするのか?ってすごい難しい判断。
現地では依然として支援を必要としている人もいるし、しかし現実的にはリソース不足。



・身の丈に合った支援を
筆者はソーシャルビジネスとかに興味を持っている身なので、どうしてもそっち側(ソーシャルビジネス的な)の視点で見てしまうんですね。なので、寄付や物資の提供が減ってきている→何らかの物資回収と運営資金の獲得を目指す収益事業を行ってはどうだろう?という考えになってしまうんですね

そこで、当日企画の紹介をしてくださった方に質問させてもらったのですが、その答えが非常に興味深かったのです。(やっと、本題です(笑)前置きが長くてすいません。背景説明が大変なもので、悪しからず。)


“自分たちの身の丈を超えて活動を展開するつもりはない。もちろん運営資金、物資を何とかしなきゃいけないのは分かっている。もっと多くの人たちの関心を呼び戻したりすることも必要だ。しかし、この取り組みは愛媛にとっても大事な意味を持っている。(「武器をアートに」をきっかけに愛媛をしってもらうことに役立っている状況を指して。)また多様なアクターが絡むことで、支援の顔が見えにくくなってしまう。私たちはモザンビークとの1対1の支援を行っていきたい。それを通じて多くの人の関心を呼べればいい。”

とのようにおっしゃっていて(あくまで、筆者の記憶とそれによる解釈です)、国際支援活動におけるすごい大事なところをついてるな~って思いました。

やっぱ身の丈に合った支援って大事ですよ。いくらその支援を必要としている人がいるからとむやみに活動を拡大させていっても、細かいところでニーズがこぼれおちたり、関係性に齟齬が生じたりしてしまうものです。
自分たちはモザンビークと1対1の関係を望む、というところも齟齬の発生を抑え、また自分たちにとっての支援の意味もはっきりとされているな~って思いました。

いや~、自分もやれBoPだ、やれソーシャルビジネスだ、と言ってばかりいないで、今回の例のような深いところの意味まで考えることを忘れてはいけませんね。非常に勉強になりました。

(“非常に”って多いですね。なんか他の語彙が出てこなくて・・・浅学の筆者に他の語彙について教えてほしいものです。)



以上、No.95「身の丈に合った支援を」
・減り続ける寄付、撤退していくパートナー
・無理をしてでも維持すべき??
・身の丈に合った支援を
でした。



明日はどんな天気でしょうか?
明日晴れたら、気分転換に少し自然に触れてきたいものです。
皆さんもよい週末をお過ごしください。
Have a nice day(^^ゞ


Shunichiro





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