2014年1月16日木曜日

自己対話をし続ける姿勢が大事【2014-No.5】

こんばんは。
Shuncihroです。

そろそろ大学生恒例のテストシーズンになってまいりました。私大の学生はすでに春休みに入っているなんて、羨ましいですよね。テストを乗り越えて、春休みを充実させたいです。春休みにはちょっとした野望?があって、それにチャレンジしたいと思っています。


つい先日「援助じゃアフリカは発展しない 」という本を読みました。

以前から気になってはいたもののなかなか機会がなく、やっと読むことができたのですが…国際協力・途上国開発に携わる身として非常に考えさせられますね。


本の要旨として、アマゾンの紹介文から引用させてもらうと
本書は劇薬である。

「援助は腐敗を助長させ、人々を貧困に陥れる。アフリカが貧しいのはまさに援助のせいだ」と言い切る著者は、ザンビア出身、ハーバードで修士号、オックスフォードで博士号をとり、世銀に2年、ゴールドマン・サックスで8年勤めた経験を持つ、女性エコノミスト。「各国や国際機関がアフリカへの援助を、5年以内にやめる」というショック療法を提案するなど、「アンチ・ボノ(U2)」としてマスコミで一躍注目を浴びる存在となり、2009年5月発売のTIME誌では「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。筆者の説を肯定するかどうかはともかく、手っ取り早く欧米での援助の論争の内容を知りたいむきにはお勧めできる知的読み物。また近年アフリカでますます存在感を増してきた中国にもかなりのページを割いている。

となっており、アフリカの発展が遅れているのは、今までの開発援助のせいだ!と喝破しています。私もこの手の論はさまざまな方から、また方々で聞いており、確かに今までの援助の仕方にも難があったのではないか?と思っています。


書籍の中からいくつか引用させてもらうと、


モヨによれば、最も援助に依存してきた国の過去30年間の年平均成長率はマイナス0.2%である対アフリカ援助の最盛期である1970年から1998年の間に、アフリカの貧困率は11%から66%まで上昇したのである
(緊急援助目的でない)低利・長期の融資や贈与の受け入れは、アフリカ諸国にとって天然資源を保有することと同じ意味を持つ。つまりこれは、汚職と紛争を引き起こし、自由な企業活動を妨げる、ある種の呪いである
過去50年間に二兆ドルを超える援助資金が富める国から貧しい国に供給された。断トツの受け手がアフリカである。しかし、ドナーの政治的・倫理的な動機に関わらず、援助は持続可能な掲示成長や貧困削減をもたらすことができなかった。過去50年間の開発物語の10年の節目ごとに政策立案者は現状維持を選択し、アフリカへより多くの援助を供給し続けた。
援助は期待にこたえることができなかった。そして援助は貧困サイクルを永続化させ、自足的経済成長から脱線させるだけであるのに、いまだに開発課題の中心になっている。

となっており、今までの開発援助の在り方について非常に考えさせられます。
私はその問題意識への一つのリアクションとして、BoPビジネス・適正技術という方向性に可能性を感じて、活動に取り組んでいるのですが、まだまだ模索段階です。

特に自分は
IDPCでは開発援助としての開発側の視点から、
OUESTではモノづくりの視点から、
BoPビジネスリサーチアシスタントではビジネスの視点から、
STONEでは全体を批判的な視点から、
とそれぞれ組織でそれぞれの視点から"開発"について考える機会をいただいているのですが、それぞれの方法論について常に客観視しながら活動に取り組むことを心がけています。


このように開発援助・国際協力への考え方や在り方に答えはなく、この業界にいる人は常に試行錯誤なのかな?と思います。そのような中では、どんな活動やどんな支援を行っていても、そこで考えるのをやめてしまうのではなく、それが本当に正しいのかどうか自己対話を続け、そこからまた新たな自分なりの答えを見つけ出し、行動に反映ししていく。。。そしてそれがまた本当に正しいかどうか自己対話をし…という常に自己対話と行動を続けていく姿勢が一番大事なんじゃないかと思うんですよね。


どんな業界でもそうかもれませんが、答えがないからこそ、常に勉強を続け、また自分でも常に自問自答を続け、自分なりの答えを見つけ続けていく、そんな自分の姿勢が何よりも大事なのかと思います。このような姿勢は、ビジネスプランコンテストなどにおいても重視されており、以前のブログ記事から少し引用すると、

「審査員や投資家が最終的に見るのは『変わり続ける数年後にも、新しい価値を見いだせる人物なのか?』という、その人の資質。」
という言葉に代表されるように、「自分で答えを見つけ続けていく姿勢」が大事なんでしょうね。




そんなことを改めて考えてました。開発に関わる方々(特に開発を学んでる学生さん)にも、ぜひ一度目を通されるといいなって思う本でした。開発に関係ない方でも、皆様もぜひ一度ご覧いただけると、非常にいい学びになるのではないかと思います。


Shunichiro

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