2013年7月17日水曜日

長期的視野に立ちたい経営と短期的利益追求の株主のジレンマ

こんばんは。
Shunichiroです。

今回からしばらく経営戦略の話。


戦略とはもともと軍事用語で、端的に言うと、戦略は相手に勝つことを目的として作られます。それは少なからず、長期的な視点に立つこと、時間軸を持って、戦略を考えることが求められます。なぜなら、たとえ短期的に見たときに、相手に先を越されていても、最終的に相手に勝てばいいからです。

また戦略とは、長期的な視点で相手に勝つ方法であるとともに、そのための‘資源配分’という点も忘れてはいけません。自分たちが持っている資源(人や物やお金、時間など)は限られています。それをいかに効率的に用い、相手の先を取るかという点が大事になります。資源配分という点で見た場合、やることとともに、やらないことも決めていくことになります。

すなわち、戦略とは、相手に勝つための長期的な視点とそれに合わせた資源の配分方法を考えることと言えます。



しかし実際には、多くの企業が戦略に乏しいと言われます。
そこには、企業(特に上場企業)が抱える構造的問題があります。

先ほど述べたように、戦略とは長期的な視点で経営を考えることが必要になるのですが、企業の意思決定やお金という資源を握っていて、短期的な利益の追求を目指す株主の存在があるのです。

株主は、少なからず経営に関与する力を持っていますし、経営者は株主総会などで株主の意見を聞き、それを反映した経営を行うことが求められます。もし、株主の意見を尊重しなかったら、経営者としての立場を解雇されるでしょう。

経営者と株主の関係、ここに大きな矛盾があるのです。
経営者は出来る限り長期的視野での戦略を立て、競合企業に勝ちたいと思っています。しかし、株主は出来る限り短期間で出来る限り多くのリターンを求めています。そして、企業は株主のものです。

つまり、経営者は長期的視点で戦略を立てたいにも関わらず、短期的な利益を求める株主のために、短期的な視点での経営を余儀なくされてしまっているのです。


この問題がために、企業は戦略を思うように立てられず、短期的には競合企業に勝てても、いずれは競合企業によって打ち負かされてしまうのです。今後の記事の中でも考えていきたいのですが、この問題は「イノベーションのジレンマ」というところにもつながっていく問題でもあるし、環境や社会のことを考えた経営の在り方というところにもつながっていきます。


株主に縛られない経営の在り方、あるいは経営者と株主との長期的関係性の模索は21世紀の課題の一つともいえると思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿