2013年7月16日火曜日

哲学に触れよ

こんばんは。
Shunichiroです。

先ほどのエントリ「」の最後に、石黒先生の若者に向けた言葉として「哲学」という答えを紹介しました。クーリエという雑誌の編集スタッフのブログにて、哲学に関係する非常に興味深い記事が載っていましたので、紹介したいと思います。


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クーリエ・ジャポンの現場から(編集部ブログ)

今年の「哲学試験」の問題は?(http://courrier.jp/blog/?p=15139

ヨーロッパ班のFです。

先月、フランスでは毎年恒例の「バカロレア(大学入学資格を得るための全国統一国家試験)」が行われました。弊誌6月号の「教養」特集では、フランスではいかに哲学が重要視されているかの記事を取り上げましたが、今年も哲学の試験でどんな問題が出されたかが国民の関心を集めていたので、今日はそちらをご紹介したいと思います。

問題は専攻によって異なるのですが、共通するのは「3つの設問から1つを選択する」ことと、「解答時間は4時間」ということ。1つの文章に対し、小論文形式で自分なりの答えを導き出します。

今年の設問は、
文科系
-言語とは、「道具」でしかないのか?
-科学とは、事実を証明するだけのものなのか?
-デカルトの『エリザベートへの手紙』からの抜粋について論ぜよ。

理科系
-政治に関心持たずして、道徳的に行動することはできるのか。
-仕事をすることで、自意識は得られるのか。
-アンリ・ベルクソンの『思想と動くもの』からの抜粋をもとに、次の問いに答えよ。
「正しい判断とは何か?」

経済・社会系にはまた別の設問があるわけですが、もう書いているだけで、何がなんだか……。でも、フランス人はこれを18歳で解くわけです。受験生だけでなく、かつてバカロレアを受験した大人たちも、どのように答えると高得点が貰えるのか気になるようで、「フィガロ」紙は人気哲学者のリュック・フェリーに模範解答のポイントを解説してもらったり、カルチャー誌「レ・ザンロキュプティブル」は、レディオヘッドらの曲のなかから「正解」を見つけよう、なんて企画を行ったりしていました。

フランスの試験は20点満点で採点されるのですが、この手の試験で満点を得られるなんてことはまずなく、15~16点貰えれば高得点というところ。先のリュック・フェリーと、セレブな若手哲学者ラファエル・エントヴァンは試験前に行われた対談で、前者は16点、後者は11点だった、と告白していました。

ちなみに、フランス版「ハフィントン・ポスト」によると、オランド大統領は13点、サルコジ前大統領は9点だったそう。日本にもファンの多い俳優マチュー・アマルリックは10点でした……。

ちなみに、来年のパリ市長選の右派候補ナタリー・コシウスコ= モリゼ女史は、18点だったとか(右派、左派ともに女性候補となったため、来年は初の女性パリ市長が誕生予定。「女の闘い」も盛り上がっています!)。
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何とフランスでは18歳にして、このような哲学を行うことが行われるのですね。大学受験の際に多くの人が受けるセンター試験、とは大違いですね。

あくまで私見ですが、昨今の日本の人たちはあまりにも哲学に触れる機会がなさすぎるのでは?と思います。哲学というと、やれニーチェだとか難しいイメージばかりがはびこってしまっています。しかし、哲学とはもっと日常的なものだと思います。自分は人生どう生きるべきか?家族とどう付き合うべきか?どんな仕事を行い、社会に対してどんな価値を発信していくのか?などなど。

哲学に値する問題は、自分が日々生きている日常の中でたくさん直面しているはずなのに、どうもこの問題に対して少なからぬ人たちが漫然と過ごしてしまっているような気がします。
それが昨今の日本の衰退を招いているのではないかと邪推ではありますが、個人的には思っています。


日本の教育の現場でも、哲学的なものがもっと導入されてほしいな、と思います。

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