2013年7月2日火曜日

BoPビジネス・ソーシャルビジネスは本当に途上国の人々のためになっているのか?

こんにちは。
Shunichiroです。

最近の私の問題意識として、BoPビジネスやソーシャルビジネスという形で先進国の資本が途上国に参入していくことが多くなっているが、はたして本当にその地域やそこの人々のためになっているのか?というものがあります。

マクロな視点で見た場合、その地域の雇用が増え、生計をたてられるようになっているとかはよく聞けども、ミクロな視点、実際にその人達は幸せになっているのか?そこってあまり語られていないと思います。


以前、世間ではソーシャルビジネスと言われている方の講演を聞きに行ったことがありますが、その中で、工場のドアマンをしてくれている子供の話がありました。「ドアを開けたり閉めたりすることに賃金を払ってあげ、その家族の大きな収入源になっているのだ」と誇らしげに彼は語っていましたが、子供を労働に使い、賃金を与えていることがはたして本当にその子のためになっていると言えるのでしょうか?これは世界で礼賛されているソーシャルビジネスの形なのでしょうか?

他にも、バングラデシュで工場を営んでいる方のお話をお聞きしたことがあります。バングラデシュではイスラム教徒が多く、工場の労働者の中にもイスラム教のバングラデシュ人も多くいるそうです。皆さんもご存じのとおり、イスラム教徒は毎日5回のお祈りをします。もちろん彼の工場での勤務時間帯内でもお祈りの時間はやってきます。しかし、彼はお祈りを許していないそうです。彼の言うには「やつら(イスラム教徒の労働者を指して)はお祈りを口実にサボりたがる。けしからん。同じ勤務時間内でイスラム教徒ではない労働者は働いているんだ。」との事。


またもともと先進国の資本で始まっているので、その地域での売り上げなど、先進国の本社?のもとに流れてしまいます。途上国の人々が頑張って働いた結果が、途上国のためではなく先進国のためになってしまっています。


確かに雇用を生み、生計を立てられるようになることは途上国の貧困層にとって大事なことかもしれませんが、それだけでいいのでしょうか?

世間ではまだまだBoPビジネス・ソーシャルビジネスが途上国開発に役に立つ、と言われJICAなどでも推進されていますが、ビジネス視点で語るのではなく本当の意味での社会開発・人間開発につながっているのか?という点で見た議論や研究がもっとなされるべきだと思っています。

自分自身もっと調べて掘り下げていきたいと思います。




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